松屋の創業から55年以上経過した今、大阪湾をはじめとする海の状況は年々変化をし続け、昔はふんだんに獲れていた魚介類が思うように獲れなくなっています。
原因としては、やはり温暖化が大きな要因です。また、漁師さんによれば海水温、塩分、栄養分のバランスが崩れ、さらには海中の底の方の酸素が少なくなってきた事で、小さな稚ガニが満足に成長できず、そのまま死滅していっている状況もあるようです。
もちろん豊漁の年も稀にあるのですが、こればかりは予測できません。
しかし、先代が大阪湾には他に負けない美味いカニがあることを多くの方々に発信したい!と目を付けたのが「わたりがに」だったので、私も二代目として、今さらこの想いを捨て去ることは考えられませんでした。
今や希少価値が高くなった「わたりがに」。松屋では先代から受け継いだ独自の調理法と極意を受け継ぎ、従来は大阪湾産のみにこだわっていましたが、現在の状況にあわせてこれからは日本各地の漁業関係者の方々や仲買さんとネットワークを結び、その時々で一番美味しいわたりがにのみを仕入れご提供していきたいと思っています。
一年を通し楽しめるわたりがにですが、
お客様にはオスとメスの味の違いだけでなく、常にカニそのものの「旬」を体感していただきたいと思っています。
その日その時でしか食べることが出来ない、わたりがにとの出合いをお楽しみください。